高圧線にご用心!

私たちの身近には電圧の高い高圧線が意外と多く存在します。

一般の家庭用の高圧線はビニールで覆われて絶縁してあるので、

比較的安全ですが工場やJR用の高圧線は電圧が高すぎてビニールで

覆うことが出来ずに裸のまま空気絶縁されています。

 

電圧が高いと空気絶縁

この高圧線は触れなくても近づいただけで放電してしまいます。

住宅の上棟時にクレーンを使うので付近に高圧線が無いか確認して、

高圧線がある場合には十分に注意して作業しなければなりません。

私が現場監督として駆出しの時に一度、高圧線の事故を起こしたことがあります。

その日はモデルハウスの棟上げを2棟同時に行っており、

そのうちの1棟が高圧線にとても近い位置でした。

その上、超高圧の空気絶縁の高圧線だったのです。

私は見張りを立ててクレーンのアームの位置が高圧線に

近づき過ぎないように十分注意して作業を進めました。

最後のクレーン作業が終わったのを見届け、大工さんを全員集め、もう1棟の現場に

移動を始めた時に「パーン!!」と音がして振り向くと高圧線から火花が落ちていました。

クレーン車がアームを収納しようと不用意にアームを伸ばして

高圧線に近づいた為、放電が起きたのでした。

4メートル以上近づくと放電の危険があります。

この後30台くらい電気会社の車がやって来て事情聴取を受けました。

被害調査をして損害金の請求額が決まるらしく、JRや工場などに被害が出た時は

数億円の請求になるケースもあるそうです。

この時は人生が終わったと思いました。

幸いに他に損害はなく電線の修理代を20万円請求されましたが保険で対応しました。

通常、高圧線の事故の場合には電気が人体に流れ重大な人身事故になる場合が多く、
今回は全く人への被害はなく本当にラッキーでした。

電気会社から私は危険人物と思われたようで、近くに高圧線がある工事の場合は

電気会社の車が作業が終わるまでピタリと張り付くようになってしまいました。

((+_+))

この記事の著者

m-kawano1265

河野 誠

河野住宅クリニック 代表

公認ホームインスペクター(住宅診断士)
2級建築士
宅地建物取引主任者
福祉住環境コーディネーター
住宅ローンアドバイザー
2級電磁波測定士

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