住宅診断実例。間違った樋金物の打ち方!

こんにちは宮崎県で一番最初の住宅診断士 河野です。(公認ホームインスペクター 既存住宅状況調査技術者)

危険な樋の取付方

間違った樋の取付をしている住宅が、あまりに多い現状です。
樋の支持金物をサイディングの目地に打ってはいけません。
サイディングの目地には金属製のジョイナーという鉄板が入っていて
コーキングが切れても普通の雨では水が壁の内部に入らないようになっています。
しかし、サイディングの目地に金物を打つとジョイナーを打ち抜いて柱に刺さります。
通常は角の柱は通柱であることが多く被害を拡大しております。

なぜ?サイディングの目地に支持金物を打つのかと言えば、その方が仕事が早くて簡単だからです。
壁に取り付けるには専用の金具を用意しないといけません。
だから、ローコスト系の住宅に多い施工法ですね。メーカーの住宅にはほとんどありません。
サイディング目地の打替えの時にも大変にやりにくく、やめて欲しい施工方法です。

コーキングの弾力があるうちは良いですが、劣化して弾力がなくなると防水性能が無くなります。
すると金物を伝って雨水が内部に染み込み内部の柱を腐食させるのです。
サイディングの目地に樋の支持金物を打っている場合にはコーキングが劣化する前に
コーキングの打ち替え工事を行って下さい。

私は2件通柱が腐って白蟻が発生した住宅を知っています。
通柱は取替ができません。補強柱を抱き合わせで補修します。
とても大変な工事になります。金額はおそらく300万くらいでしょうか?
10年以内でしたら瑕疵保険が使える場合もありますが、10年を越えると保険も使えません。

以前、住宅診断で目地に樋の支持金物を打っていることを記載したら
記載を取り消すように施工会社から言われた事がありました。
確かに樋の支持金物の詳細は住宅診断には詳しい規定はありません。
しかし、劣化が進んだ場合に大きな危険が出てきます。

知っているのと知らないのでは大きな差があると私は考えています。

お問合せ☎080-5219-4310

この記事の著者

m-kawano1265

河野 誠

河野住宅クリニック 代表

公認ホームインスペクター(住宅診断士)
2級建築士
宅地建物取引主任者
福祉住環境コーディネーター
住宅ローンアドバイザー
2級電磁波測定士

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