隣の敷地は基礎補強がいらないの?

 

隣の敷地は基礎補強がいらないの?

隣のRハウスは基礎補強をしていないのに、どうして私の会社では必要なのだろう?

・・・自分が納得していなければお客様に説明が出来ないので詳しく調べてみました。

 まず地盤保証を依頼する保証会社によって調査方法が違い

表面波探査とスウェーデン式・サウンディング試験(SS試験)の2つの検査方法が主に使われています。

 今回の調査はSS試験を採用、表面の1メートルは硬い地盤であるがその下の地盤は軟弱で基礎補強が必要と判定。

 一般的にSS試験の方がデータはきびしく基礎補強が必要になるケースが多くなるが事故率は低いそうです。

どれくらい違うかというと表面波探査の方が事故率は2倍、件数では約10倍になります。

安全の為に地盤保証会社はSS試験をお勧めしているそうです。

 さて、今回は表面の1メートルは硬くてその下はドロドロだったケースです。

国土交通省より出た指針では基礎下2m・2~5mまでのデータを基に基礎補強の判断を行いますが、

このケースでは地震時に液状化するおそれがあるという判定結果になったわけです。

 ここで大切なのは地震で家が壊れても保証が使えない事です。

すべて地震保険で対応します。もし大きな地震が発生した場合に基礎補強をしていなければ、大きな被害が予想されます。

おそらく地震保険だけでは足りないケースも出てくるでしょう。

最悪の場合には大けがや命を落とすことも考えられます。

 家屋が倒壊した場合、瓦礫や家具に手足が挟まっただけで「クラッシュ症候群」によって命が危険にさらされます。

 とは言うものの基礎補強にはお金がかかります。

少しでも費用は少なくしたいのが正直なところです。

今回は3パターンの補強方法で見積りを取りました。

そして採用したのが「ハイスピード工法」です。

これは地盤に穴を掘り、その穴に砕石を詰め込み石柱を形成する、天然素材のみを使った人・環境に優しくとっても強い地盤改良工事のことです。

 価格的にはこれまでの柱状改良工事に比べて半分から三分の二の費用で済みます。(安いのが魅力です。)

 この大きなドリルで地盤に穴をあけてから砕石を詰め込んでいきます。

天然砕石しか使わないので土壌汚染を起こさないので健康被害がありません。

 それから産業廃棄物として扱われないので将来取り除く必要がありません。・・・(とってもエコです。)

 もしセメント柱状杭や鋼管杭を取り除くと200万から300万位の費用が発生します。(>_<)  将来、家の建替えをするときも同程度の家であれば繰り返し使えます。・・・・といった良い点がございます。  ドリルで穴をあけているとドロドロの粘土のかたまりが出てきました。・・・・  やはり硬い地盤の下には軟弱な地盤が広がっていたようです。 工事費のアップにはなりましたが、何かあった時の事を考えると会社の判断は正しかったと思います。 基礎補強工事はこれで完了です。  隣の違う建築会社も基礎補強はしていませんでした。 予算重視もひとつの考え方です。 どちらが正しいとは言えませんが地震が来ないことを祈りたいですね。 ・・・・特に埋立地・川の近くで建築を予定しているお客様は今回のケースを参考にしてみて下さい。

この記事の著者

m-kawano1265

河野 誠

河野住宅クリニック 代表

公認ホームインスペクター(住宅診断士)
2級建築士
宅地建物取引主任者
福祉住環境コーディネーター
住宅ローンアドバイザー
2級電磁波測定士

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