傾いた建物

これは有名なピサの斜塔です。ここまで傾いてはいないですが、同じように傾いた建物が身近にあると言ったら驚かれるでしょうか?

  地盤調査をして安全を確かめてから建築するようになったのは阪神淡路大震災以降の事でそれ以前に建てた建物は地耐力などお構いなしに建てられていたのです。土地の造成もいい加減な工事が多く現在のように地盤調査をすれば基礎補強が必要な土地は結構あったと思われます。

 特に震災時に発生した液状化現象の原因となった、地下5mまでの深い部分の地盤が検査の重要ポイントになります。つまり、表面が固くても内部が軟弱であれば基礎補強が必要になるのです。大きな地震の際には水が吹き出して沼のように地盤の強度がなくなり家が傾くからです。

  現在は地盤保証制度がありますから安心ですが、保証を受ける為にはしっかりと調査をして家が傾かない基礎にしなければなりません。
  実際、住宅に関するトラブルの七割近くが地盤に関係していると言われ、場合によっては深刻な被害につながる事もあります。
  前回、紹介した基礎補強が必要になったケースでは擁壁の内側の締固めが足りない事が原因で家が傾くと診断されました。

  造成地で土地を削った部分と埋めた部分の境目が一番危険です。土地を見ただけでは分かりませんので、建てる前にしっかりと調査をして安心出来る基礎造りをお勧めいたします。後で失敗しないように!

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この記事の著者

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河野 誠

河野住宅クリニック 代表

公認ホームインスペクター(住宅診断士)
2級建築士
宅地建物取引主任者
福祉住環境コーディネーター
住宅ローンアドバイザー
2級電磁波測定士

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